2月10日は第59回スーパーボウル。
<AFC>カンザスシティ・チーフスと<NFC>フィラデルフィア・イーグルスの対戦。
2年前のスーパーボウルの再戦となる。
前回は前半を24-14の10点差で折り返したイーグルスを、後半チーフスが追い上げ、チーフスが38-35の逆転勝利を飾っている。
戦力拮抗した白熱した試合を決めたのは、追い込まれた状況から見事なパントリターンを決めたカダリアス・トニーの活躍と、脚のけがをもろともせず肝心なところでQBランを見せたマホームズの底力だったと思う。
今回も両者万全の勝ちっぷりを見せてここまで来ている。
果たして死角はあるのか。
レギュラーシーズンとポストシーズンの全試合の得点状況を、勝ち試合と負け試合に分けて集計してみた。(※week18のチーフスvsブロンコスは集計対象外)

まずこちらを見ていただきたい。
クォーターごとの得点力・防御力がよく似ている。瓜二つと言っても過言ではない。
【得点力】
両チームとも、1Q・3Qはあまり得点を上げていない。
これは一気に仕掛けるというより、まずは相手のディフェンスを観察し、分析ができたとろで2Q・4Qに確実に仕留める、という姿勢が伺える。
違いを強いてあげるとすれば、チーフスは前半の方が後半より得点が多く、イーグルスは後半の方が前半より得点が多い。
得失点差を見てみると、チーフスは3Qに「得点」<「失点」という数字になっている。
3Q立ち上がりは特に慎重に攻撃している、ということが分かる。
【防御力】
両チームとも、勝ち試合については各Qの平均が4点前後となっており、1試合を通じて安定した防御力を誇る。
素晴らしいディフェンスである。
一方、負け試合を見てみると、両チームとも前半・後半で勝ち試合の倍程度の失点を許している。
ディフェンスが崩れた時、それが負けに直結していると言える。

次に見ていただきたいのがこちら。
先ほどの試合展開分析では「ディフェンスが崩れる」ということしか分からなかった。
では、どういう時にディフェンスが崩れるのだろうか。
それを考えてみたい。
まず注目して欲しいのは、試合の立ち上がり、「1Qの得点・失点状況」だ。
【チーフス】
チーフスは、シーズンを通して1敗しかしていないが(week18ブロンクス戦を除く)、それはどういう時なのか。
1Qのオフェンスで無得点に終わった試合が5試合ある。
そのうち1回が敗戦となっている。
1Qにフィールドゴールなり、タッチダウンなりで得点していれば全勝だ。
1Qで無得点の時、勝率は80%、つまり20%負ける確率が出現する。
1Qのディフェンスはどうか。
たった1度の敗戦は、1Qでタッチダウンを許している。
また、先制点をあげられている。
1Qでタッチダウンを許したのは全部で5試合、そのうち1試合で敗戦。
1Qで先制点を許したのは全部で6試合、そのうち1試合で敗戦。
このいずれかが当てはまると、負ける可能性が出てくると言える。
【イーグルス】
こちらもチーフスと全く同じ傾向が見て取れる。
オフェンスが1Qで得点をあげられない、
ディフェンスが1Qでタッチダウンを許す、先制点を許す、
こういう時に負ける確率が高まってる。
次に注目したのは、前半の「先制タッチダウン」だ。
【チーフス】
前半に先制タッチダウンをあげたのは7試合、全て勝っている。
一方、前半に先制タッチダウンを許した試合は4試合、うち1試合で敗戦している。
先制タッチダウンを許すこと、それは相手チームがディフェンスをよく研究してきているといえる。
こういう試合では、試合を通してディフェンスがやられてしまう、ということになるのだろう。
【イーグルス】
前半に先制タッチダウンを許したのは5試合で、結果は3勝2敗。
勝率85%を誇るチームが、この時は勝率60%となり、負ける確立確率が高い。
チーフスの分析と同様、相手チームがディフェンスをよく研究してきていることだと考えられる。
最後に着目するのは「前半をどう折り返すか」だ。
両チームともどちらかというとスロースターターな印象。
先の考察で「立ち上がりは相手のディフェンスを分析する」と示した通りだ。
すると前半は拮抗した試合になりがちだ。
【チーフス】
前半リードして折り返した場合は全勝だ。
一方、前半リードを許して折り返したのは4試合あり、そのうち1試合で負けている。
全体の得点力分析で示した通り、チーフスの得点は「前半」>「後半」となっており、極力前半リードして折り返したいところだ。
【イーグルス】
チーフス同様、前半リードを許して折り返したのは4試合あり、そのうち1試合で負けている。
イーグルスは後半の方が得点力が高いとはいえ、やはり前半はリードして折り返したいところだろう。
総評
両チームとも、傾向が全く一緒なのには本当に驚かされる。
「前半のチーフス・後半のイーグルス」と言えるが、鍵は立ち上がりにあると見た。
重要なファクターは以下3つ!
①1Q無得点で終わると、負ける確率が高まる
②前半に先制タッチダウンを許すと、負ける確率が高まる
③前半リードを許して折り返すと、負ける確率が高まる
まとめると、両チームとも「先制タッチダウン」そして「前半リード」が勝利への道、と見た!
さあ、どうなるか。
2年前の対戦では、イーグルスが先制タッチダウンをあげ、前半リードで折り返しているが、4Qでチーフスが逆転勝利している。
これまで分析してきたデータも、たった一度の実戦には全くあてはまらない、のかもしれない。
それでも、試合を楽しむ上での一つの観点として楽しんでいただけたらと思う。
<まぐ>
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